FILE 189 ・2019年度 高得点作品からわかること

描写

▼過去の高得点作品を見る

○18年度 美術科合格 238/250 現役生

解説

長いロープとブリキ缶を効果的に配置することで、画面を見るときに目線が右下から左中段へ向かい、さらに右上へ抜けていくという奥行きのある空間演出ができています。「形の精度」や「描き込みの仕上がり」に関しても非常に高いレベルにあるため、238点という高得点を獲得することができたのだと思います。

○17年度 美術科合格 250/250 現役生

解説

50個の紙コップを使い、画面の中で目線が左下から右中段へと向かい、さらに左上へと向かう奥行きのあるモチーフの設置ができています。これは非常に理想的な構成だといえます。さらに、形の精度、描き込みの仕上がりに関しても非常に高いレベルにあるため、今回満点を獲得することができたのだと思います。

○16年度 工芸科合格 244/250 現役生

解説

モチーフの特徴の一つである大きな提灯(直径約40cm)のサイズ感を表現するために、「縦構図」と「提灯を画面からはみ出させる」という選択をし、迫力のある画面作りに成功しています。
「構図・構成」は作品の点数に大きく関係してきます。普段の対策でも、与えられたモチーフを常に新鮮な目で見るようにしましょう。その繰り返しが、目の前のモチーフを描き表すために最適な「構図・構成」を選ぶことにつながっていくはずです。

○15年度 美術科合格 250/250 高卒生

解説

満点作品です。構図に派手さはないため、一見するとやや「地味」な印象を受ける作品ですが、隅々までの描写が丁寧で、非常に繊細に描き込まれています。写真では魅力が十分に伝わらないのが残念です。

○14年度 美術科合格 250/250 高卒生

解説

構成、描写ともに申し分ない作品です。個々のモチーフの特徴がわかりやすく、また、一つの画面として空間的に見やすい画面構成が出来ています。そして、全てのモチーフがしっかりと描き込まれています。模範解答といって良い作品です。

○13年度 工芸科合格 246/250 高卒生

解説

まとまりのある構図と力強い描き込みにより、迫力のある画面となっています。個々のモチーフを見ても、それぞれ細密に描き込まれており、特に塩ラーメンの乾麺とパッケージの材質表現は秀逸です。

○12年度 工芸科合格 250/250 高卒生

解説

作者によると、『構成が自由にできるモチーフじゃないので、皆、大体同じような印象の構成になると思い、あえてペットボトルを倒してみた』とのことでしたが、その目論見が見事に功を奏したようです。全ての面で完成度の高い作品ではありますが、上位には同程度に完成された作品が、他にもあったはずです。にもかかわらず、その中でトップに選ばれたのは、作者の積極性が買われたということではないでしょうか。

○11年度 美術科合格 240/250 高卒生

解説

シンプルですが、力強さを感じさせる作品です。一つひとつのモチーフの確実な描写と空間の演出が、うまく両立しています。手前のシャトルの力強い存在感には魅力があります。

○10年度 美術科合格 248/250 現役生

解説

縦位置画面にしては、巻き紙ひもと手の位置関係が水平的過ぎるように見えますし、引き出されたひもと床の関係もやや不自然に見えなくもありません。しかし、空間感の演出よりも個々のモチーフの描写に力を入れた作品として、その印象的な細密描写が高く評価された作品なのだと思われます。徹底した観察と描写により、廉価な量産品である巻き紙ひもにも、十分な魅力を与えています。表情の豊かさだけでなく、手の描写においては、指1本1本が骨格と筋肉を持ち、力 の入った「生きた手」として表現できている点も、見逃せません。

○09年度 美術科合格 250/250 高卒生

解説

的確な構成で、モチーフの形態感、材質感、画面空間が分かりやすく演出されています。ハイトーンの印象をキープしながらも、描き込みの密度があるため、それが確かな質感の描写につながっています。また、表情豊かにそれぞれのモチーフを描きこんでいるだけでなく、画面上でモチーフが埋もれてしまわないための、トーンの調整もできています。個々のモチーフの存在感と、一つの画面としての全体感が分かりやすくまとめられている上に、構成力、描画力、まとめる力のすべてが高い次元で発揮されている、非常にハイレベルな作品です。

○08年度 美術科合格 250/250 高卒生

解説

まず強い印象を受けるのが、一つ一つのモチーフの確実な描出です。ビニールの材質感(透明感、厚みの印象)や、リンゴとタオルの量感・材質感がしっかり伝わってきます。また、三つのモチーフの関係、明(タオル)、暗(リンゴ)、中間(ビニール)の明度関係、ビニールを通して見えるタオルとリンゴの印象の表現、さらに、これらの表現を可能とする的確なモチーフの構成、画面上での配置など、受験レベルとしては完璧に近い作品といえるでしょう。

○07年度 美術科合格 248/250 高卒生

解説

『芝がポイントだと思ったので、そこには無茶苦茶こだわった。1本1本描く時「この1本描いたら受かる。この1本描いたら受かる」と自分に言い聞かせながら描いた。正直、しんどいモチーフなので、最後までがんばって描き切った人が受かるのだと思い「負けへん」と思って描いた。』と、本人がコメントしている通り、人工芝の緻密な描写が際立つ作例です。




アスクメンバーサイト

目次



京都 北大路駅前校 滋賀 彦根駅前校 京都駅前七条校(本部) 一般美術教室 こども造形表現教室 京都アートスクール NET通信実技センター 京都アートスクール お問い合わせ