京芸ファイル186:2019年度京芸入試速報 ◆ 京都アートスクール

FILE 186 ・2019年度京芸入試速報

色彩

■問題概要

テーマ「メロディ」
下記の条件にしたがって色彩表現をしなさい。

  • ・条件
  • 1.解答用紙は、長辺を上下とし、表裏どちらを使ってもよい。
  • 2.下図に示すように、解答用紙は、上部と下部に、各9㎝幅の余白を設けて、
      中央部を解答画面とし、余白部分には、彩色しない。彩色は、不透明水彩絵の具を使う。
  • 3.解答画面は、直線で分割し、各直線の両端は、解答画面の端に接する。
  • 4.直線で分割されたそれぞれの面は1色だけで彩色し、色の濃淡を用いずにベタ塗りのみとする。
  • 5.隣接する面同士は、同色にならないようにする。

■問題のポイント

「テーマと条件からの発想」の出題

近年続いているテーマと条件からの発想が求められる出題でした。
テーマである『メロディ』を、条件に従って「直線分割のみで表現する」ことが可能かどうかを、受験生はまず考える必要があります。形について考えてみると、『メロディ』を表す形は、直線より曲線を用いた分割の方がイメージしやすいと思いますが、直線分割で表現できる形は、三角形、四角形、不規則な多角形などです。それら幾何形体の変化や繰り返しを用いて、テーマに答えることを考える必要があります。
条件から発想する時に、解答方法を安直に決めつけてしまうことが最も良くない状況です。
本年度の条件である、直線を拡大解釈して、「具体的なモノを作図して表現する」ことが求められていたとは、考えにくいため、本年度の条件であれば、「色の連鎖(つながり)」や「響き合い」でテーマに答えることが求められていると考えられます。課題文をよく読み、どこまでのことが許されるのか、課題違反になる範囲を確認しながら条件の中で自由度を高く設定できるかが重要なポイントです。
テーマである「メロディ」を、一見すると表現することが難しい限られた条件の中で受験生がどの様に判断し表現するのか、対応力が問われた課題でした。

近年の「テーマと条件からの発想」の出題
   
18年度入試問題 17年度入試問題

解答画面のサイズは画用紙の上下に9㎝幅の余白を設けるため特殊な細長い形の解答画面となりました。ベタ塗りという条件で四つ切サイズの画用紙の場合、制作時間3時間での精度の高い作業は難しいものとなりますが、条件により四つ切サイズよりも小さい解答画面となりましたので、落ち着いて取り組めば十分に精度の高い作品が作れる画面の大きさであったと言えます。時間内に精度の高い作業が求められると共に、横に細長い解答画面という特徴も制作の際に考えなければならない課題でした。

アスクでは自由な表現のみならず、彩色方法や描く形に様々な条件を設けて課題に取り組みます。今回の条件と同じベタ塗りでの参考課題と作例を紹介しているので参考にして下さい

アスクでの参考課題と作例
   
課題例 R02013 課題例 R02016
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