FILE 204 ・京芸対策「夏期講習」の意義
3.模試によるステップアップ実例
さて、夏期講習と夏期模試の意義について理解してもらえたでしょうか。話が少し理屈っぽくなりましたので、ここでは具体例を見ていきましょう。
20年度は台風の影響で日数短縮での夏期京芸模試開催となり、作品写真撮影を行うことが叶いませんでした。そのため今回の京芸ファイルでは、
19年度から15年度までの過去の京芸ファイルで紹介された「模試作品」と「入試再現作品」を特別に掲載いたします。
3回の模試作品(夏期・冬期・直前)と入試再現作品を見比べることで、これまでの合格者がどのようにステップアップし、合格に繋がっていったのかがわかるようになっています。受験生の皆さんには、これを参考にして、ぜひ夏期講習の目標を立ててもらいたいと思います。
アスクではこれまで、「年3回の模試でステップアップ~合格」ということを京芸対策の柱として位置づけてきました。しかし近年、京芸の出題範囲に拡大する傾向が見られるようになったため、アスクの模試においても出題範囲を広げて対応しています。したがって、「3回の模試でステップアップしていく」ことに加え、「各模試で様々な出題傾向への対応能力を身につける」という位置づけも重要になってきています。
描写
夏期模試 | 冬期模試 | 直前模試 | 入試 |
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2018年度 Bさん |
146/250 |
198/250 |
132/250 |
212/250 |
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夏期・冬期の模試を通じて順調に点数を伸ばしていったBさん。しかし、直前模試では、3回の模試の中で最も低い点数となってしまいました。実際の京芸入試では様々なタイプの課題が出題されます。そのため、アスクの3回の模試の中でも、バリエーションを持たせた出題をしています。昨年度の直前模試でも、通常とはやや異なる趣向のモチーフを出題しましたので、Bさんの点数が低くなってしまったのかもしれません。しかし、この直前模試を経験することによって、イレギュラーな課題に対する対応能力を身につけることができたのではないでしょうか。 その結果、実際の試験では落ち着いて普段の実力を出すことができ、212点という高得点を獲得することができました。 |
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色彩
夏期模試 | 冬期模試 | 直前模試 | 入試 |
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2019年度 Cくん |
180/250 |
118/250 |
200/250 |
242/250 |
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もともと高い実技力を持っていたCくん。しかし、冬期模試では「テーマに対する反応」が弱く、技術力は高いものの、点数は118点にとどまりました。Cくんはこの結果を真摯に受け止め、直前講習の対策の中で「テーマに対して答える」ことに努めました。その結果、入試本番では見事に242点という高得点を獲得することができました。例年、アスクの模試には約160名が受験します。そういった場で、他の多くの作品と自分の作品を比較することによって、自分自身の弱点が浮き彫りになり、その後の対策の方針がより明確なものになっていったのでしょう。 |
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2018年度 Dさん |
97/250 |
198/250 |
78/250 |
206/250 |
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冬期模試では高い得点を獲得することができたDさん。しかし直前模試では点数を100点以下に落としてしまいました。原因はそれぞれの課題の傾向の違いにあります。冬期模試では「モチーフからの発想」が求められ、直前模試では「テーマからの発想」が求められました。Dさんは直前模試の段階では、まだ自由度の高い課題に対する対応力が低い状況だったのです。しかし、この直前模試での失敗が生かされ、実際の入試で出された「テーマと条件からの発想」が求められる自由度の高い課題を見事にクリア。高得点を獲得することができました。 |
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立体
夏期模試 | 冬期模試 | 直前模試 | 入試 |
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2019年度 Eさん |
122/250 | 168/250 |
218/250 |
236/250 |
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立体に苦手意識を持っている受験生は少なくないでしょう。Eさんも、「思い描く形はあるのに、思うように立体に起こすことができない」と感じている受験生の一人でした。講習中には、積極的に自身の改善点を担当講師に質問しているEさんの姿をよく目にしました。魅力的な作品を制作するためには、まず理論を知る必要があります。アスクの模試では、まさにこの理論を受験生の皆さんに伝えているのです。さらにEさんのように、個別相談の時間を使って自分自身の抱えている問題点を相談してもらえれば、我々講師も一緒に解決策を考えることができます。Eさんは積極的に自分の問題点に取り組んだ結果、着実に点数をUPしていき、苦手意識を持っていた立体で236点という高得点を獲得することができました。 |
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2018年度 Fくん |
202/250 |
140/250 |
218/250 |
234/250 |
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年3回実施されるアスク京芸模試の立体では、京芸立体課題の出題傾向を踏まえ、変化に富んだ様々な傾向の課題が出題されます。Fくんは、立体を得意科目としていた生徒ですが、冬期模試では140点と苦戦しました。しかし、直前模試では自身の実力をいつもどおりに発揮することができ、218点を獲得しています。入試では、「様々な傾向の出題すべてに的確に対応する力」が求められることを、Fくんは冬期模試で痛感したことと思います。そして、入試本番では、まさに変化のある課題が出題されましたが、冬期模試での苦い経験と、その後の適切な対策・調整があったために、慌てることなく的確に対応し、高得点を獲得することができました。 |
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次回予告
今回の京芸ファイルをお読みいただき、誠にありがとうございました。
次回は『21年度入試に向けて 後期対策の課題』を8/17(月)に掲載する予定です。京芸受験に向けた1年間の対策の流れを振り返り、夏期講習を終えて続く「後期授業の意義」に対する考え方をまとめる予定です。次回もぜひ、お読み下さい。
※内容は予告なく変更になる事があります。
- 1. 「夏期講習」の意義
- 2. 「夏期模試」の意義
- 3.模試によるステップアップ実例
- 次回予告